泣きたい夜には…~Shingo~
「はぁぁぁ…」
せっかくいいところだったのにぃぃぃ!!!
もうため息しか出ない。
でも、ひとみらしい。
思わず笑みが零れる。
「さ、明日も仕事だし、帰って寝るかな」
部屋に戻って、眠りを貪る深夜。
ピンポーン♪
こんな時間に鳴らす奴はひとりしかいない。
「ごめんね、夜中に~!」
双子の出産を見て帰宅したひとみがかなり興奮した様子で部屋を訪れた。
「もうね、本当にすごかったんだから!」
ひとみの熱のこもった話を半分寝ぼけながら聞いていたが、
いくら大学病院が教育機関とはいえ、たくさんの医者に見られながら出産をした妊婦さんに心から同情した。
「赤ちゃん、すっごい可愛かったぁ!!私も欲しくなっちゃったぁ!!」
ひとみの大胆発言に
えっ…
「本当に?」
「うんっ!」
目が覚めたよ。
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