泣きたい夜には…~Shingo~



「どれどれ?」


画面を覗き込むと、


「豪華懐石料理に部屋風呂付き、しかも源泉かけ流し、どれがいいかな?」


風呂上がりのシャンプーの香りと髪をアップにしてむき出しになった白いうなじが妙にそそる。


「いいよ、ひとみが行きたい所で…俺は一緒にいられるなら何処でもいいから」


そう言うと、パソコンの前に座るひとみを後ろから抱き締め、うなじに唇を押し当てた。


「あんっ、もう…ダメ…まだ決まってないでしょ?」


ひとみはくすぐったそうに体を捻った。


「じゃあこれ!伊豆の温泉で、部屋から花火大会が観られるプランはどう?」


ひとみは俺の執拗な愛情表現(妨害工作?)を必死に掻い潜り、ようやくこれと思われる宿を見つけた。


「部屋から花火が観られるなんていいね?観ながらだってこんなことができるし…」


冗談半分に、ひとみの肩に置いた手を胸元に伸ばしていくと…



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