泣きたい夜には…~Shingo~



バッチーーーン!!!!


「痛ってぇ!!!!」


思いっきり手を叩かれた。


ひとみはジロリと俺を睨むと、


「誰が、悪いの?」


威圧感たっぷりの低い声で言った。


怖…


「お、俺です…スミマセン…」


ちょっと悪ノリし過ぎたので、しばらくおとなしくしていることに。


カチカチッ…


カタカタカタ…


静まり返った部屋の中で聞こえるのはマウスとキーボードを叩く音だけ。


「よーし、予約完了!」


ひとみは両手を上げて大きな伸びをした。


「お疲れ、夏休みが楽しみだな」


さっきのこともあり、遠慮がちにひとみの肩に手を置いた。


「うん」


ひとみは椅子から立ち上がると、


「お待たせ」


艶を含んだ笑みを浮かべ、俺の首に腕を回した。


「今夜はどうする?」


ひとみの耳元で囁くと、


「このままうちでも…いい?」


甘さを含んだ声でひとみは言った。



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