泣きたい夜には…~Shingo~



最近では同じマンションということもあり、ひとみの当直の晩以外はどちらかの部屋で一緒に過ごすことが多くなった。


いわゆる半同棲状態ということになるわけで…。


「もう他に用事はない?」


そう言いながら俺の唇はひとみの首筋を捉えていた。


「んんっ!もうない…」


言い終わらないうちにひとみを抱き上げ、ベッドへと運んだ。


ベッドに腰掛け、ひとみの頬に触れた。


こんな時いつもひとみは目を閉じてしまう。


理由は簡単、見られるのが恥ずかしいから。


気が強いくせにそんな可愛いところもある。


「目、開けろよ」


意地悪く言うと、ひとみは恥ずかしそうにゆっくりと目を開け、潤んだ瞳を俺に向けた。


やばい…


そんな風に見られたら、ほとんどの男は陥落させられる。


これを計算ずくでやっているわけではないから質が悪い。


とんだ天然小悪魔だ。



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