泣きたい夜には…~Shingo~



「その前に少し何か食べた方がいいわよ」


戻って来た彼女はお粥と消化の良さそうな料理をトレーに乗せて運んできた。


キュルルル…


視覚と嗅覚の連携プレーは俺の食欲を刺激した。


呆れるくらいに正直すぎる俺の腹。


今日は熱のせいで食欲もなかったし、仕事に忙殺されて昼食を摂る暇もなかった。


不健康極まりない生活につくづく自己嫌悪だ。


「おかわりしてくださいね」


彼女はクスクス笑いながら茶碗にお粥をよそい、俺に渡した。


は、恥ずかしい…


が、しかし!!!


背に腹はかえられぬ…


「いただきます」


熱々のお粥にふうふうと息を吹きかけ、ゆっくりと口に運ぶ。


うっ、美味い!!!!


あっという間にたいらげて、その後も何度おかわりをしたことか。


彼女、すげぇ料理上手だ…


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