泣きたい夜には…~Shingo~
「来て良かった…」
ひとみがポツリと呟いた。
「俺もひとみと一緒に来られて良かった」
「ハプニングはあったけど、豪華料理食べられたし…ね」
俺とひとみは顔を見合わせて笑った。
花火大会が終わって部屋に戻り、しばらくふたりでまったりと過ごしていた。
やがて夜も更け、
「風呂…入るか?」
ひとみは真っ赤になって、
「し、慎吾、先に入って来て…私、後で入るから」
何でそんなに恥ずかしがるんだ?
いつもはもっとすごいことしているのに。
「わかった、先に入るぞ」
無理矢理風呂に連れて行くようなことはしたくない。
今日は色々あったがひとみと一緒に過ごせたし、これ以上望んだらバチが当たってしまう。
露天風呂に続くガラスドアを開け、石造りの露天風呂に入った。
じわじわと体が温まり、1日の疲れが抜けていくようだ。
.