泣きたい夜には…~Shingo~
私を信じて
色々ありすぎた夏休みが終わり、季節は秋。
「あぁ、お腹すいたー!」
「だな」
俺もひとみも今日の気分は食欲の秋。
「栗ご飯もいいかなぁ…でも、殻むくのが面倒だし…サンマが安いけど、この間食べたばっかりだしなぁ」
スーパーの買い物に付き合っているのだが、今日のひとみは食材を決めるのに時間がかかりすぎていた。
いつもだったらパパッと決まって、びっくりするくらいスピーディーなのに。
「お前、熱でもあるのか?」
額に手を当てると、
「ないってば!」
不機嫌な表情を見せ、顔を背けた。
熱はなさそうだが、いつもの元気がない。
「今日はどこかにメシ食いに行くか?」
そう声をかけると、ひとみは立ち止まって、
「そうしてもらってもいいかな…あ…」
ひとみの表情が強張ったものに変わった。