クローバー的恋事情
私は白ワインをひと口、飲んだ。まだ食べ物を胃に入れてないから、喉が焼けて、胃に染みていく。


「ううん、展開というほどのことではないよ。泊まったのだって、お兄ちゃんの部屋だし」


「え？葵のお兄さんの部屋？なんでお兄さんの部屋に？」


「あ、友香に言ってなかったよね？うちのお兄さんと藤沢さんが同じ大学で、同じサークルでもあって…」


カフェで偶然会った時に知ったことを話す。藤沢さんとはいろんな偶然がある。昨日、うちに泊まることになった経緯も話す。藤沢さんと親密になったのなら、ものすごい展開だけど、泊まることになった原因はお兄ちゃんだ。

だから、ドキドキする展開は何もなかった。お兄ちゃんがよく分からない防護をしていたし。

今朝見たお風呂上がりの藤沢さんには、ドキッとしたけど、そのことは内緒にしておこう。
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