クローバー的恋事情

「そうだったんだ。そういうのって、やっぱり葵的には運命っぽいと思ったんでしょ？」


「んー、でも、ほら、無駄というか、無理というか、ダメな運命じゃない？」


簡単に運命と結び付かせてはいけないと、いつも自分に言い聞かせるようになった。

自分の気持ちだって、意識して封印しようとしているのに、何かと近くに来るから、封印を止められてしまって戸惑ってばかりだけど。

出来ることなら藤沢さんから離れたい。いないところに行きたい。そうしないと完全に封印出来ない。


「ねえ、友香。異動願いって、新入社員でも出せるかな？」


「えー、販売課が嫌なの？榎本さんが辞めちゃったから、葵も辞めたいの？」


せっかく入った会社を辞めたくはない。だから、せめて異動を…。


「辞めたいんじゃないけど、ただ、あの人が見えないところに行きたいのよ。教育係だからほんとに関わりが多いんだよねー」