クローバー的恋事情
教育係を他の人に代えてもらうのも一つの方法かな。代えてくれないかな。


「うちの会社、余程のことがない限り、他の部への異動はないらしいよ。他の課に移ることはあるらしいけど。でも、他の課でも関わりはあるよね?」


「えー、そうなの?それじゃ…異動願いを出せたとしても意味ないよね。あー、ほんと憂鬱だ」


届いたばかりの焼き立てピザを口に入れる。


「ん、このビザ、美味しい!あー、もう何も考えないでただ美味しいものを食べたい」


「クスッ。うんうん、なんか分かるよ。美味しいものを食べてる時が一番幸せだと思うもの」


友香は彼氏とうまくいっているからそれだけで十分幸せなはずだ。羨ましい。

ん?

私は友香の左手を掴んだ。


「ちょっと、友香。この指輪、いつものと違うじゃん。これ、ダイヤ?」


いつも友香は前に彼氏からもらったという指輪を左手の薬指にはめていた。だけど、今はめているのはまだ輝きが新しいし、高そうなダイヤが埋め込まれている。
< 125 / 248 >

この作品をシェア

pagetop