クローバー的恋事情
「そうか、断られるとは思っていたから、気にしないで。こんなとこで言うつもりはなかったんだけどな。あー、藤沢さんのせいですよ。振られちゃったじゃないすか」

微妙な笑顔を見せた田辺くんは、藤沢さんの足を叩く。


「痛いなー。俺のせいじゃないだろ?」


「まったく、藤沢さんは勝手ですよね。な、葵」


「うん。勝手ですよ」


私はブタを袋にしまって、バッグに入れた。もうすぐ軽井沢駅に到着する。


東京は雨だったけど、軽井沢は青空が広がっていた。近くにあるアウトレットモールへ歩いていく人が多い。

いいな、買い物したい。今日が金曜日なら、今夜泊まって、明日ショッピングを楽しむという方法があったかも。しかし、残念なことに今日は水曜日だ。

「クスッ。萱森さん、今日は買い物している時間はないよ。こっち行くよ」


いけない!仕事中なのに…無意識に足がアウトレットモールへ向いていた。

前を歩く藤沢さんと田辺くんの後を急いで追う。
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