クローバー的恋事情
小島さんの気持ちを思うと切なくなるけど、私の気持ちはやっぱり複雑だ。


「ごちそうさまでした」


「気をつけて帰ってねー」


外へ出ると来たときよりも雲が少なくなってきていて、見える星の数も増えていた。それに、きれいな三日月まで出ている。


「そうだ、お兄ちゃん。明日、晴れるみたいだから、ドライブでもしようよ。江ノ島とか行かない?」


「明日はダメだなー。母さんに頼まれたんだよ、庭の花を置く台がもう1つ欲しいから作ってくれってさ」


「そうなの?」


お母さんったら、いつの間にそんなことを頼んでいたのだろう。先越されてしまった。


「うん。ホームセンターに行って、材料を買ってきて作る予定。葵も手伝う?ついでに庭の手入れもするって言ってたぞ」


「うん、私もやる、やる。なんか楽しそう」


「あはは、きれいにしような」


たまにはお母さん孝行して、ガーデニングをするのもいいかも。

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