クローバー的恋事情
藤沢さんの声が聞こえた。もしかして、思い出してくれた?
私です。葵です。心の中で告げる。
「そうだ、葵ちゃん!」
そうそう、私が葵です。
「はい」
返事をするのが精一杯。
「そうだったんだ。妹と同じ名前だなーと思ったんだけど、まさか沖縄で会った子だとは思わなかったから、気付かなかったよ」
「そ、そうですよね。私も、また会えるとは思いもしなかったですもの」
本当に思い出してくれた。嬉しい。
「ちょっと、ちょっと。二人は知り合いなんですか?」
感動の再会を話しているというのに、田辺くんが割り込んできた。邪魔しないで。
「いや、そのストラップで話をしただけなんだけどね」
「あ、その節はありがとうございました」
「ううん。そうやって付けてもらえて、良かったよ。あのあと、余計なことしちゃったかなと思ったんだけど。買うつもりなかったって言ってたから押し付けてしまったかなと思ってね」
買うつもりはなかった。でも、記念だったし、このクローバーに願いを込めたから。
私です。葵です。心の中で告げる。
「そうだ、葵ちゃん!」
そうそう、私が葵です。
「はい」
返事をするのが精一杯。
「そうだったんだ。妹と同じ名前だなーと思ったんだけど、まさか沖縄で会った子だとは思わなかったから、気付かなかったよ」
「そ、そうですよね。私も、また会えるとは思いもしなかったですもの」
本当に思い出してくれた。嬉しい。
「ちょっと、ちょっと。二人は知り合いなんですか?」
感動の再会を話しているというのに、田辺くんが割り込んできた。邪魔しないで。
「いや、そのストラップで話をしただけなんだけどね」
「あ、その節はありがとうございました」
「ううん。そうやって付けてもらえて、良かったよ。あのあと、余計なことしちゃったかなと思ったんだけど。買うつもりなかったって言ってたから押し付けてしまったかなと思ってね」
買うつもりはなかった。でも、記念だったし、このクローバーに願いを込めたから。