クローバー的恋事情
「え?いつにしようかなー。ははっ」


「笑って誤魔化すなよ。萱森兄妹は都合が悪くなると笑って誤魔化すのかよ」


言われてしまった。笑って誤魔化すのはお兄ちゃんのほうが多いけど、そんなお兄ちゃんを見て育ったからか、私も言いにくいことは笑ってしまう癖が出来ている。

藤沢さんに指摘されるとは…悪い癖は反省するしかない。


「ごめんなさい」


「フッ、謝んなくてもいいよ。ほんと葵は素直だよね」


なでなで…頭を撫でられている?なんで…

え?ち、近い…


撫でている手が止まったと思いきや…

顔が近付く…もう目の前だ。


チュッ

ええ?口が柔らかい物が触れた。何かなんて分かっている。藤沢さんの口だ。


「今、何を…されました?」


「キスしたけど、ダメだった?嫌だった?」


ブンブン

駄目じゃない。むしろ嬉しい。


「なんだよ、その顔。もっと欲しいのか?」
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