クローバー的恋事情
おねだりをするなんて、大胆なことは出来ない。だけど、そう取れる目をしてしまったかも。藤沢さんから目が離せない。

藤沢さんの顔がまた近付く。


「ん…」


さっきみたいな軽いキスではない。深くなっていく。

どうしよう、ここ、外だよ。少し脇道に入ったから、人が来る気配は感じない。だけど、誰も来ない保証はない。見られたら、恥ずかしい。

角度を変えようと口が少し離れた。


「ここ…」


ここでは人が来るかもしれないから…と言いたかった。だけど、一瞬の隙も与えないかのように再び唇は素早く塞がれてしまう。

それどころか少し開いたのを見逃さなくて、舌が滑り込んで、私の口内を掻き回す。歯や舌の感触を確かめるかのようにゆっくりと動く。その舌が私の舌を捉えた。

頭の奥のほうが痺れていく。何を考えたらいいのか、分からない。何も考えられない。立つ足の力が抜けていく。
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