クローバー的恋事情
「お兄ちゃん、おかえり!」


お兄ちゃんは、穏やかな性格で私の愚痴をいつも楽しく聞いてくれる。なぜ楽しいのか分からないけど、私が怒っていてもおかしいらしくいつも笑う。

私は、起き上がって、ちゃんと座る。隣にお兄ちゃんが座れるスペースを作る。かまってーとおねだりする犬のようだ。


「すぐ着替えて来るから待ってろよ」


「うん」


お兄ちゃんは、私の行動をよく分かっている。私は、お兄ちゃんが好きでかなり信頼している。


「お待たせ。何があった?」


お兄ちゃんに話を聞いてもらうと解決することも多いのも、信頼する理由の1つだ。


「あのね、沖縄に行ったときにね」


「ん?沖縄?今日のことじゃないのか?」


「ううん、聞いて。沖縄でね…」


藤沢さんと会ったときのこと、ストラップをもらったこと、今日再会したこと、彼女がいたことまでを事細かに話した。

お兄ちゃんは、相槌を打ちながら、所々で笑った。笑う要素なんて、どこにもないと思うのに。
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