クローバー的恋事情
「へー。そんなことがあったんだ。東京行きに乗るってことは、東京の人かもしれないよね。連絡先聞いて、帰ってから会う約束をしたらいいじゃない」


「でも、図々しくないかな?ただお土産さんで話しただけなのに」


「こういう出会いだってあると思うよ。聞くだけ聞いてみたらいいじゃないの?断られるかもしれないし」


ここ数年、恋愛はご無沙汰だ。なかなか機会がないというか、いい人に巡り会えないとというか…。大学ライフを振り返るとそれなりに楽しかったけど、寂しかったかも。

うん、せっかくいいと思った人だ。彼女がいるのかも分からないけど、連絡先だけでも聞いてみる価値はあるかもしれない。

動かないと何も始まらない。


「そうだね。まだお土産さんにいるかもしれないよね。聞いてくる」


「私も行くよ」


アイスクリームを食べ終わった私たちはもう一度お土産屋さんに入った。


まだいるかな?レジの人に聞いたら分かるかな?

ざっと見渡した限りでは藤沢さんの姿はなかった。まだ従業員室にいるのかな?


「あ!」

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