クローバー的恋事情
不誠実な恋
社会人になると休日のありがたみが変わる。学生の時も休日は嬉しかったけど、それ以上に嬉しい。以前よりも友達と遊ぶ回数が減ったから、友達に会うだけで嬉しい。


「元気だった？仕事、どう？」


「覚えることが多くて、大変よー。葵は？そういえば、クローバーの人とはどうなの？」


クローバーの人…もちろん藤沢さんのことだ。運命の再会と思ったけど、彼女がいた！どうしよう！と入社式の日の夜、里沙には連絡した。

里沙も興奮してくれて、すぐに返信が来た。その後の報告を楽しみにしてると言われたけど、なにも変わることのない関係に報告出来なかった。


「何もないよ」


「何もないわけないでしょ？まさか、振られた？」


「振られるもなにも…」


「やっぱり彼女がいる人はダメだった？」


里沙は彼女がいてもその再会は運命だから、何が起こるか分からないよと言われた。そう言われて、何らかのハプニングを期待したりもした。

だけど、何もない。

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