クローバー的恋事情

「あれ？お兄さんじゃないの？ほら…」


「え？お兄ちゃん？…あ、ほんとだ」


10人くらいの男性集団が入ってきた。今日、お兄ちゃんは大学時代の友達の結婚式へと出掛けていった。そろそろ終わる時間だから、終わったあとに友達と来たのかな？


「相変わらずお兄さん、かっこいいわね」


「そうかな。…あ！」


その集団の中にたった今話していた人がいた。なんで？同じ大学だったの？


「お、渉んちの葵ちゃんじゃない？」


お兄ちゃんの隣にいたがっしりとした体格の人が私に気付いて、お兄ちゃんの肩を叩く。うろ覚えだけど、多分家に来たことのある人だ。


「え？あー、ほんとだ、葵と里沙ちゃんも」


「こんにちはー。ご無沙汰してます。結婚式の帰りですか？」


里沙がお兄ちゃんに向かって、笑顔で挨拶をした。

みんな少し派手目なスーツやネクタイをしていて、引き出物が入っていると思われる白い紙袋を持っていたから、結婚式帰りと分かりやすい。