夢のような恋だった
私は意を決して、山形さんにメールを書いた。
【進行中のシナリオの件でお願いがあります】
そんな書き出しで、もう一人キャラクターを増やしたいことと、最初に提示したプロットの変更を申し入れる。
夜だというのに山形さんはすぐに電話をかけてきて、いつもよりも苛立ち気味にまくし立てる。
『困りますよ、急に。以前のプロット良かったですよ? あのままでも十分……』
「山形さん、お願いします。どうしても加えたいエピソードができたんです」
『でもなー』
「三日ください。変更したプロットとキャラクターデザインを出します。それを見て判断してもらって構いません」
『キャラクター増やさずには出来ないんですか』
「出来ません。沢山の人に迷惑かけるのも分かってます。でも、どうしてもこれを書きたいんです」
山形さんに、こんなに強気に出るのも初めて。
ずっと、本を出してもらえるだけでありがたいくらいで、提案や指摘に逆らおうなんて思ったこともなかった。
でも、今は別だ。
ここで頑張らなかったら、私は取り返しの付かない後悔をする。
『導入部分のシナリオも作れますか? 元々の進捗予定だった以前のプロットのものと両方』
「はい」
『……分かりました。三日で仕上げてください。それで判断します』
「ありがとうございます!」
見えるはずもないのに頭を大きく下げる。
いつもは私が電話を切るのを待っている山形さんが先に切る。
随分苛立たせてしまったのかもしれない。
私はすぐパソコンの電源を入れた。
絶対に書き上げる。
今妥協したら絶対後悔するって分かっているから。
気合を入れて画面に向かって、勢い良くキーボードを打ち始めた。
【進行中のシナリオの件でお願いがあります】
そんな書き出しで、もう一人キャラクターを増やしたいことと、最初に提示したプロットの変更を申し入れる。
夜だというのに山形さんはすぐに電話をかけてきて、いつもよりも苛立ち気味にまくし立てる。
『困りますよ、急に。以前のプロット良かったですよ? あのままでも十分……』
「山形さん、お願いします。どうしても加えたいエピソードができたんです」
『でもなー』
「三日ください。変更したプロットとキャラクターデザインを出します。それを見て判断してもらって構いません」
『キャラクター増やさずには出来ないんですか』
「出来ません。沢山の人に迷惑かけるのも分かってます。でも、どうしてもこれを書きたいんです」
山形さんに、こんなに強気に出るのも初めて。
ずっと、本を出してもらえるだけでありがたいくらいで、提案や指摘に逆らおうなんて思ったこともなかった。
でも、今は別だ。
ここで頑張らなかったら、私は取り返しの付かない後悔をする。
『導入部分のシナリオも作れますか? 元々の進捗予定だった以前のプロットのものと両方』
「はい」
『……分かりました。三日で仕上げてください。それで判断します』
「ありがとうございます!」
見えるはずもないのに頭を大きく下げる。
いつもは私が電話を切るのを待っている山形さんが先に切る。
随分苛立たせてしまったのかもしれない。
私はすぐパソコンの電源を入れた。
絶対に書き上げる。
今妥協したら絶対後悔するって分かっているから。
気合を入れて画面に向かって、勢い良くキーボードを打ち始めた。