夢のような恋だった
一度、目通しして、気になるところに赤字で書き込んでいく。
二度目は青字。
そのまま再び直したところをパソコンのデータに反映させてもう一度印刷。
シナリオの方は、声に出して読み、突っ掛かるところがないかどうかをチェックする。
今までも同じ作業をしてきたはずなのに、ずっと気持ちが入り込む。
公私混同だとは思うけど、やっぱり妥協しながらやっているより、自分の伝えたいものをこめたほうが楽しい。
これでお金をもらっているんだから、人の意見や市場の動向をちゃんと反映させなきゃいけないのは分かっているけど、それでもやっぱり伝えたい何かをこめなくちゃ物語は作れない。
智くんに見せたい。
今の私の気持ちを伝えたい。
私は今までずっと無くしていたのはきっと“情熱”だったんだ。
やる気が出てきて、勇気も出てくる。
まるで私が冒険に出るみたい。
この気持ちこそ“希望”だ。
私がずっと無くしていて、彼に出会えて見つけたもの。