夢のような恋だった

「もしもし?」


『紗優ねえちゃん、琉依です。メールじゃ埓あかないから電話にした。一人で会ったらダメだよ。危ないと思う』

詰め寄る声に、驚きが隠せない。

適当な返事がバレてる。
琉依ちゃんにはごまかしが通用しないんだ。


「彼、いつもはあんな風じゃないのよ。もっと淡白っていうか。あっさりした人なの。だから大丈夫」

『紗優ねえちゃんの大丈夫って信用ならないよ』


身も蓋もないな。

さすがにここまで言われるとちょっと苛立ったけど、お湯が沸いてやかんがピーッと鳴き出したので、それを止めに走った。

そしてできるだけ落ち着いた声になるように心がける。


「ちゃんと外で会うし。私ももう大人だから大丈夫」

『でも』

「心配してくれるのは嬉しいけど、もう少し信用して』


私の言葉に、琉依ちゃんは自分の失言に気づいたのか黙った。


『……わかった。ごめんね。またメールするね』

「うん」


最後は少し気まずくなってしまった。

またやっちゃった。
私はどうして心配してくれる人と上手く付き合うことが出来ないんだろう。

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