夢のような恋だった
*
十分位経って、呼び鈴がなる。
サイちゃんがどこに居たのかしらないけど、さすがにまだ早すぎるだろう。
心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていて、声が裏返りそうだ。
恐る恐る扉に近づいて呼びかける。
「どなたですか?」
「開けて、紗優」
声の主は草太くんだ。
血が引いていくような感覚の中、私はチェーンが付いているのを確認して、ドア越しに話しかけた。
「私、もう草太くんに会うつもりない。帰って」
「ちゃんと話をしよう。俺とヨリを戻せば皆元通りになる。紗優が困ることもなくなるんだ」
むしろ今の草太くんに困ってるんだけど、それを言ったら暴発してしまうかもしれない。
「話は前にしたでしょう? 私の気持ちは全部話した。もう、草太くんのことは好きじゃない」
どうしてこうなったの?
ちゃんと別れるって言ってくれたのに。
「紗優も茂の嘘に騙されてたんだろ?
紗優が俺のことが好きじゃなかったなんて嘘だ。何言われたのか知らないけど、俺はもう紗優のことだけ見てるから。安心してやり直そう?」
茂くんは一体草太くんになんて言ったんだろう。
中牧さんは茂くんが怪我したと言っていたし、二人の間で何かしらいざこざはあったんだろうけど。
それに巻き込まれるのは正直ゴメンだ。
十分位経って、呼び鈴がなる。
サイちゃんがどこに居たのかしらないけど、さすがにまだ早すぎるだろう。
心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていて、声が裏返りそうだ。
恐る恐る扉に近づいて呼びかける。
「どなたですか?」
「開けて、紗優」
声の主は草太くんだ。
血が引いていくような感覚の中、私はチェーンが付いているのを確認して、ドア越しに話しかけた。
「私、もう草太くんに会うつもりない。帰って」
「ちゃんと話をしよう。俺とヨリを戻せば皆元通りになる。紗優が困ることもなくなるんだ」
むしろ今の草太くんに困ってるんだけど、それを言ったら暴発してしまうかもしれない。
「話は前にしたでしょう? 私の気持ちは全部話した。もう、草太くんのことは好きじゃない」
どうしてこうなったの?
ちゃんと別れるって言ってくれたのに。
「紗優も茂の嘘に騙されてたんだろ?
紗優が俺のことが好きじゃなかったなんて嘘だ。何言われたのか知らないけど、俺はもう紗優のことだけ見てるから。安心してやり直そう?」
茂くんは一体草太くんになんて言ったんだろう。
中牧さんは茂くんが怪我したと言っていたし、二人の間で何かしらいざこざはあったんだろうけど。
それに巻き込まれるのは正直ゴメンだ。