夢のような恋だった

「智くん?」

「もう一回言って。俺のこと」


彼の懇願の言葉には熱があるみたいだ。
胸に落ちて私の全身までもを熱くさせる。


「私も、智くんが今もまだ好き」


唇をなぞる指が、小さく震える。


「私は、智くんみたいにずっと一人でいられなかったけど、でも今も、今までもずっと好き」


本心だけど、口に出したらやっぱり恥ずかしい。

目を伏せたら、頬を持ち上げられた。

あ、と思った瞬間に重なる唇。
軽く一度触れた後、彼は私を抱きしめて、味わうようなキスをした。

体の芯みたいなものがビリビリ痺れる感覚がする。
全身の神経が、智くんの触れてくれるところに集中していて、熱を持ったように熱く感じる。


「さっき」

「え?」

「アイツに紗優のなんなんだよって聞かれた時。……答えられなくて歯痒しかった」


痛いくらいに力がこめられた。

私を体の中に閉じ込めようとするみたいに、彼の硬い体が押し付けられる。
息苦しさに吐息を漏らすと智くんは慌てたように私を離した。

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