夢のような恋だった
「草太くんが来てももうハッキリ言えるから大丈夫。扉も開けないから」
「でも」
「私には智くんがいるから。大丈夫」
好きな人と気持ちが繋がるのって、なんて凄いことなんだろう。
世界はキラキラして見えるし、自分のことも大切に思えてくる。
「智くんが大事にしてくれるから、私自分のこと大事にしたいって思えた。もう草太くんに何を言われても負けたりしないから」
「アイツと会われることそのものを心配してるんだけど」
「会わないよ。もし押しかけて来られたらの話」
「困って俺がいなかったら彩治がおじさんに連絡しろよ」
「うん。じゃあ、朝ごはんだね」
起き上がって着替えようとしたら後ろから抱きしめられる。
「さ、智くん」
「ん」
髪にキス。目尻にキス。そして唇にキス。
朝から甘くてとろけそう。
「んーよし、頑張ろう、一日」
名残惜しくなってる私に対して、智くんはそれをきっかけに立ち上がった。
買った下着と昨日の服を着込んで、着替えたものを袋にいれようとするから慌てて止める。
「私、洗濯する。洗濯物の中に男の人の下着があると泥棒にも入られにくいって聞いたことある」
「ああ。まあそうかな」
「それに。……また来て欲しいし」
恥ずかしいこと言っちゃった、と思って照れ隠しに下着を奪って洗濯機に突っ込んで戻ってくると、智くんは水をがぶ飲みしていた。
「どうしたの?」
「……熱くて死にそう」
それは私もそうですと、声には出さずに答えた。