夢のような恋だった
家族だけのしんみりした結婚式と披露宴を終え、ドレス姿からワンピースに着替えた私は教会の外へと歩き出す。
途端に夏の熱気に包まれて、現実世界に戻ってきたような気持ちになった。
結婚式って、やっぱり特別なんだ。
皆に祝われて、お姫様みたいな格好をして。
智もいつもより数倍格好よく見えて。
皆に見られるのは恥ずかしいって思っていたけど、やっぱりやって良かったな。
さっき散々飲み食いしたのに、「これから皆で飲みましょ」と楽しそうにいうのは美由紀お義母さん。
私と智は、お友達が主催してくれた二次会に向かうのでここでサヨナラとなる。
「じゃあ、母さんたちはこっちで勝手にするから」
「よろしくお願いします」
そんなわけで、私達は二次会会場となるお店へと向かう。
主催者は和奏と颯くんと新見さん。
和奏以外の高校時代の仲間とは、智と別れた時から気まずくて会っていなかった。
ようやく気兼ねなく会えるかと思うとホッとしちゃう。
「ね。颯くんと新見さんって長いよね」
「え? あー。でもあいつらは結構頻繁に喧嘩別れしては戻ってる」
「そうなの?」
「うん。颯がうざいほど落ち込んで困る。大学の時なんか、アイツわざわざ傷心旅行とか言って俺のところまで来て。一週間くらい居座られたかな」