夢のような恋だった
「達雄おじさんちの絆(きずな)、今同じ学校なんだぜ?」
「え?」
「琉依(るい)と同じクラスなんだ。しばらく気づかなかったんだけどさ。あっちも俺がいるって知ってスゲーびっくりしてた」
「へぇ、偶然ってあるんだねぇ」
「とーちゃんたちは知ってて隠してたみたいだけどな」
そうか。
琉依ちゃんたちも同じ学校なんだ。
昔私達が通った高校に、弟達が集まっているなんて不思議な感じ。
琉依ちゃんは智くんの妹だ。
男女の双子の片割れで、男の子の方は壱瑳(いっさ)くんという。
「ちなみに壱瑳と俺が同じクラスなんだぜ?」
「……相変わらず仲いいんだね」
羨ましい。
私も男の子だったら、智くんといつまでも友達でいられたんだろうか。
女だったから感情が恋に変わって、恋に変わってしまったらもう友情には戻せなかった。
「そういや、琉依のやつねーちゃんのアパートに行ったりしなかった?」
「琉依ちゃん? 来てないよ?」
「ならいいんだ」
あからさまにサイちゃんがホッとした顔をするので、妙に気にかかった。
「琉依ちゃんに、私のアパート教えたの?」
「うん、まあ。……でももう随分前。そうだよ。あん時まだ小学生だった。琉依が一人で行けるわけないよな」
サイちゃんは一人納得したように頷いている。
小学生の頃って一体何年前よ。
琉依ちゃんが私の部屋に乗り込んでくるような原因が、その頃には一つしか思いつかないので気まずい。