夢のような恋だった
1
締切日が近い。
私は今日も仕事を早く上がらせてもらい、進まないイラストボードと格闘していた。
焦りと闘いながら、夕食用にと買ってきたハンバーガーをかじる。
締め切りが近いと食生活が荒れるのが問題だ。
だけど、料理に使う時間がもったいない。
早く食べて、今日こそは仕上げなくちゃ。
喉に詰まりそうなパン生地を、ジュースで押し流す。
そこそこお腹が膨れたところで口元を拭いて、ペンを手に取った。
さあやるぞ、と思ったまさにそのタイミングで、ドアベルが鳴る。
「誰よ、こんな時に」
私はため息をついて立ち上がる。
一人暮らしの小さな部屋、すぐに辿り着きドアスコープからのぞき込むと、湾曲に写っているのは私の“彼氏”だ。
……多分、そう呼んでいいのだろうと思う。
私は扉を開け、不満気な様子をあからさまにして問いかける。
「草太くん、何しに来たの」
「近くまで来たから。入れてよ。ほら酒も持ってきた」
草太くんは遠慮無く大きな体で私を覆うようにして中へと入ってくる。
チェーンを付けておくべきだったか、と思ったけれどもう遅い。
「ねぇ、悪いけど締め切り前なの」
「じき終わるんだろ? 待ってる」
「待ってるって……そんなに簡単じゃないんだけど」
ため息を漏らして、私は黙りこむ。
草太くんは強引だ。
何を言ってもきっと聞いてはもらえない。
私は今日も仕事を早く上がらせてもらい、進まないイラストボードと格闘していた。
焦りと闘いながら、夕食用にと買ってきたハンバーガーをかじる。
締め切りが近いと食生活が荒れるのが問題だ。
だけど、料理に使う時間がもったいない。
早く食べて、今日こそは仕上げなくちゃ。
喉に詰まりそうなパン生地を、ジュースで押し流す。
そこそこお腹が膨れたところで口元を拭いて、ペンを手に取った。
さあやるぞ、と思ったまさにそのタイミングで、ドアベルが鳴る。
「誰よ、こんな時に」
私はため息をついて立ち上がる。
一人暮らしの小さな部屋、すぐに辿り着きドアスコープからのぞき込むと、湾曲に写っているのは私の“彼氏”だ。
……多分、そう呼んでいいのだろうと思う。
私は扉を開け、不満気な様子をあからさまにして問いかける。
「草太くん、何しに来たの」
「近くまで来たから。入れてよ。ほら酒も持ってきた」
草太くんは遠慮無く大きな体で私を覆うようにして中へと入ってくる。
チェーンを付けておくべきだったか、と思ったけれどもう遅い。
「ねぇ、悪いけど締め切り前なの」
「じき終わるんだろ? 待ってる」
「待ってるって……そんなに簡単じゃないんだけど」
ため息を漏らして、私は黙りこむ。
草太くんは強引だ。
何を言ってもきっと聞いてはもらえない。