夢のような恋だった
草太くんは私を見つめるとため息を吐き出した。
「要は俺は悩みを共有するような相手じゃないってことだろ? 俺、紗優が自分のものだって実感が時々持てない」
その一言に私は思わず息を飲んだ。
「……紗優から呼び出されるまで、暫く来ないから」
冷たく告げた彼は、コンビニ袋を再び持ってゆっくり部屋を出て行った。
その緩慢な動作は、引き止める私を期待してのものだったのかもしれない。
でも私は動けなかった。
草太くんの言葉が、的を射ていたと思うから。
中途半端な感情を抱いているのは、
むしろ私の方かもしれないと思えてしまったから。