僕が霊を信じた日
すると、洗面所で何かの気配がした。

僕は手を止めた。


気のせいだろうか?

僕は再び頭を擦り始めた。


ガタン。

洗面所と風呂場を繋ぐ、引き扉が開いた。


僕は洗剤が目に入らないように目を瞑っていた。

「誰だよ」

だが、返ってくる返事は無かった。


「おい、何か言えよ!」

だが、返事はない。


夏場、それも風呂に入っているのに、僕は身震いをした。


頭の洗剤を慌てて洗い流し、僕は後ろを振り返った。


だが、扉が少し開いていて、そこから洗面所の鏡が見えただけだった。
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