僕が霊を信じた日
お祓い
僕達家族全員、有名な霊能力者のもとへ訪れた。


中年の女性だった。



「――それからずっと恐怖で……」


母が涙を流す。


「売り払おうとは思わなかったんですか?」

女性は冷静に問う。


「ローンがまだまだありますんで」


父は頭から滲み出る汗を拭いた。
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