僕が霊を信じた日
家に帰ると、誰もいなかった。
父は仕事をし、母は買い物をし、弟は部活をしているのだろう。
僕は腹痛の為、トイレの便座に腰を掛けた。
数分間後、階段を駆け下りる音がした。
一階のトイレにいた僕は、手が汗ばむのが分かった。
誰もいないはずだ。
足音はトイレの前で止まる。
僕は身動きをすることが出来なかった。
トイレの鍵が、ゆっくりと解除されようとしている。
中からしか解除できないはずなのに……。
僕の息は荒くなる。
助けてくれ!
心の中で叫んだ。