128√e980-I Love You-


「雪華!しっかりしろ!」

雷秋が抱えて保健室まで運んでくれた。
でも、薬を飲まない限り、発作は…。

ガラガラー。

「ん?あれ?どうした?」

「せ、先生…、薬!」

「雪華?」

タイミングよく先生が来てくれた。
いつも、お世話になる保険医。
『穂波先生/ホナミ』。

「雪華?薬は鞄の中?」

うまく息もできない。
もちろん、喋るのも困難。
小さく頷くと先生が薬を探し飲ませた。
しばらくして、発作も収まり
意識も回復した。

「すみません、先生。」

「なにか無茶でもしたの?顔も傷だらけ」

「お得意のやっかみですよ。」

「…悪いことは言わないわ。
 家に戻るべきよ。
 なんなら、先生がっ…!」

「勘違いしないでください。
 家出じゃないんです、
 出されたんです。
 二度と戻るつもりはないです。」

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