128√e980-I Love You-


「雪華?…寒い?」

「ううん、平気だょ…。…雷秋。」

「何?」

雷秋の優しい声が私を逃がさない。
言えなくなる。
でも、私を変えてくれたあなただから。
優しくて、甘いあなただから、
私を逃がしてくれない。
だから、気持ち決まった今日。
言わしてください。

「雷秋。
 私ね、いっぱい愛をもらったよ?
 いつでも、傍に居てくれた。」

「…何それ、別れる訳じゃあるまいし…」

「ううん、もう、胸いっぱい。
 雷秋……。」

「言うな…、いくら雪華でも許さない。」

「別れよう。……別れて。」

「な、んで…!」

「世の中が私を裏切った。
 雷秋は私の復讐する相手の代理人。
 その変わりにすぎない。
 分かっているはずでしょう?
 だから、今度は私が裏切るの。
 雷秋、合い言葉を私に教えたのが
 間違いだったのよ。私を恨めばいい。」

「…出ていけ。俺が暴れる前に…。
 ハッ…こんな形で裏切られるとはな!」

「…ごめんね、雷秋。」

キィッ───バタン。

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