128√e980-I Love You-


「雪華…、おいで。」

彼は手を広げた。
やさしく、子供に声かけるような感じ。
あぁ、私は結局ながされる。
気づけば彼の腕のなか。

「俺も一緒に待つよ。
 雪華が悲しいなら、俺は笑わす。
 嬉しければ、一緒に喜ぶよ。
 寒ければ、俺が温める。
 泣きたければ、傍で抱きしめるよ。
 いつだって、一緒にいる。」

彼はプレイボーイだ。
軽い彼からでる言葉は真逆で、
すごく、重くのしかかる言葉。

「…ね。」

「…ん?どうした?」

「寒いょ…。」

「俺ん家に行こう。
 朝まで温めてあげるょ。」

彼は私の手をやさしく握り、
彼の家まで無言だった。

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