128√e980-I Love You-


寒い冬。
彼はやさしく包み込んでくれた。
私の体に触れる指は壊れ物を扱うように
体のラインをなぞり下がっていく。

彼を受け入れる。
それは、私から私への裏切り。
それを分かっていても、彼が欲しくなった。

「雪華…、愛してる」

言葉のアヤなんて聞き流す。
でも、彼の言葉は一つ一つが入ってくる。
そっか、彼に溺れてしまったんだ。
彼からの快楽は他のことを考える
余裕を与えなかった。
それほど、私達はつながってしまった。

「雪華、俺の…っ名前呼んで?」

「…ら、ぃぁ。…雷秋。」

「雪華は俺のものだ…。」

「らぃぁ…ぁ、もぅ…ダメッ。」

「俺も、っキテル…。」

果てると同時に彼からのキス。
深くて、深くて、溺れてしまう。
唇が離れると目があった。

「ふっ…、雪華かわいい。」

彼はそういうと触れるだけのキスをし、
私を抱きしめたまま眠ってしまった。
しばらくして、私も眠りに落ちた。
なぜか、落ち着く…。
彼は私が必要とした人だったのかも。

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