嘘つき姫と嘘吐き王子。
-*1*-

幼なじみ

――――
――――…



暖かな空気が流れる春、教室の窓側の1番後ろの席という、


何とも1番オイシイ席であくびをひとつ。


そんな私を見ながらため息をつく、私の前の席に座る男。



そいつをジトーっと睨む。


睨むっていうか、こいつが先に睨むから睨み返してるだけ。



「ねえ、世奈?いつまでそんな格好…続けるわけ?」



私を引き気味の目で見つめながら遠慮がちに言う、この男。






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