嘘つき姫と嘘吐き王子。



入学式のときからこいつの人気は異常で、佐久間が動く度に取り巻きの女がピャーピャー鳴く。



ほんとに、うるさいったらありゃしない。



『ほんと一年経った今でも疑問だよ。あんなやつなんかより恭ちゃんのほうがよっぽど良いのに』


そう、つい口からこぼすと恭ちゃんは嬉しそうに私を見つめる。



そしてまた悲鳴に耳を済ませうるさそうにしながら



「まあ、俺は女の子と遊んだりしないからね。女子達は軽い方が良いみたいだよ」




なんて、一言。




今絶対、佐久間 輝ファンの取り巻きを敵に回したよ…なんて思いつつ、



遅刻していた学年No.1の佐久間 輝が早く通りすぎるのを待った。





< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop