嘘つき姫と嘘吐き王子。
ギュウギュウ、と取り巻きの女達の間を押されながら通る私たち。
すると、ギョッとしたように私を見る取り巻きの女。
そして、サッと道を空けた。
なんだ、ちゃんとシツケされてるんじゃんなんて思ってたら。
「うわぁ、谷口 世奈だ…。」
「髪の毛ボサボサ…近づきたくなぁい」
なんて言葉が聞こえてきた。
うるさいなぁ!
ほっといてよ!
確かに、黒いロングの髪でボサボサなんて、貞子みたいだけどさ…!
何もあなたたちに迷惑なんかかけてないもん!