嘘つき姫と嘘吐き王子。



そんな取り巻きの声を聞いたのか、ひょっこりと私たちの方を見る佐久間。



そして…



「…ふっ」



鼻で笑いやがった。



…カッチーン。



なんなのこの男…。



あんたなんて…顔も性格も恭ちゃんには劣りまくりなんだからねっ…!!


心の中で悪態をつきながら、グッと我慢してその場を離れようとすると。



「谷口世奈か…ほんとお前不潔だよな。それでも女?」



…カッチーン。( 二度目 )



「しかも、ちょっとスカート短くね?地味なくせに」



…カッチーン( 三度目 )。




あんたね。
仏の顔も私の顔も三度まで、よ?





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