嘘つき姫と嘘吐き王子。



恭ちゃんに圧倒されたのか、佐久間は何も言わなくなった。


モチロン、他の取り巻き達も。



だけど、佐久間はまたもや口を開いた。


言い難げに小さな声で、私にこう言った。



「…お前がいると、空気汚れてる気がするんだよ」



はぁ…?!?



こいつ…まだ懲りてないの?!



この言葉には私も流石に頭にキタ。



『わかったわよ。明日、見てなさいよ?』



そう、一言だけ残し、私は恭ちゃんの手を引っ張り教室を出た。





< 19 / 28 >

この作品をシェア

pagetop