嘘つき姫と嘘吐き王子。
恭ちゃんに圧倒されたのか、佐久間は何も言わなくなった。
モチロン、他の取り巻き達も。
だけど、佐久間はまたもや口を開いた。
言い難げに小さな声で、私にこう言った。
「…お前がいると、空気汚れてる気がするんだよ」
はぁ…?!?
こいつ…まだ懲りてないの?!
この言葉には私も流石に頭にキタ。
『わかったわよ。明日、見てなさいよ?』
そう、一言だけ残し、私は恭ちゃんの手を引っ張り教室を出た。