嘘つき姫と嘘吐き王子。
『ねえ、恭ちゃんー。恭ちゃんは、こんな格好してる私、嫌い?』
ぐいっと、恭ちゃんに近く。
「そ、そんなわけない…し…。どんな格好でも、世奈は世奈ダヨ…」
顔を赤らめながら恭ちゃんは困ったように笑う。
高校一年の入学式から、何回このやりとりを繰り返したことか…。
まともな格好してアブナイ目に遭ったって恭ちゃんが助けてくれれば良いよ?
運動神経良くて強いし…。
タダ、第六感が、すこぶるニブいのが問題なわけ。