ジャスミン
リビングに行くと茉莉は愕然とした。


『えっ？何で…。』

そこには颯太郎だけではなく、大樹と美香が当たり前のようにくつろいでいたのだ。

『おっはよ～茉莉ちゃん！』

『茉莉、おはよう。』

大樹は相変わらず軽さ全開で茉莉に挨拶をしながら、ダイニングテーブルの椅子に長い足を組みコーヒーをすする。

一方、美香はいつもの元気はなく茉莉の顔を心配そうに伺いながら両手をグーにして震わせている。


『あの…どうしてここに？』

混乱しながらもやっとの思いで口を開く。

『あぁ、俺が頼んだんだよ。鞄預かってくれてたみたいで届けてもらうついでに茉莉を送っててもらおうと。鍵もないだろうし。』

驚かしたことを申し訳なさそうに颯太郎が事情を説明する。

『あ、そうなんだ…朝早くからごめんなさい！』

ようやく事情を理解すると、バッと頭を下げて自分のせいで皆に迷惑をかけたことを謝る。
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