ジャスミン
『何年、親友やってると思ってるの?』

誰にも知られてはいけない、いや美香には知られたくなかった…佐伯部長と私の関係をー。


『いつから知ってたの?』

今までのいきおいに、やや赤めの顔色から、一気に自分の顔色が悪くなっていくのが分かった。

『んー。二年くらい前かな?佐伯部長の茉莉ちゃんに対する態度が、少し不自然に感じて、決定的だったのは、二人がホテルに入っていくところを偶然見ちゃったんだよね。』

『…そっか、幻滅したでしょ。』

美香に合わせる顔がなくなり、自然と美香の綺麗に手入れされている指先に視線を移した。

『うんっ!ショックだった。自分に幻滅したよっ、勝手に茉莉ちゃんのこと理解してるつもりでいたけど、茉莉ちゃんの心の中、全然解ってあげられてないじゃん!!って。』

美香の言葉に私の方こそ、美香の心の中を全然解ってあげられてないことに気付き、自分のしていたことの愚かさを痛感した。
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