ジャスミン
次に背中に感じるのは、フカフカのベッド。僅かに開いているドアからリビングの灯りが入り込む。

茉莉の身体の自由を奪うように、ベッドに茉莉を挟んで両手をついている颯太郎の顔は、真っ直ぐ茉莉を見つめている。


息をのんで、茉莉も颯太郎の顔を見つめた。

静かすぎるこの空間は、茉莉の心拍数を上げていく一方で、この胸の音が聞こえてしまうのではと心配になる。

顔に影ができて、茉莉は思わずギュッと目を閉じた。


温かいぬくもりを感じたのは、唇ではなく額で肩透かしをくらったような気になるが、次々に瞼、こめかみ、鼻、頬とキスの嵐にいつの間にか緊張も和らいでいた。

それを見透かしたように、颯太郎は茉莉に微笑むと耳元で囁き、優しく、でも深く唇を重ねた。躊躇うことのない颯太郎の唇や舌に翻弄されつつも、茉莉もそれに応えながらどちらの口内か分からなくなる程に混ざり合う。

『んっ、はぁっ。』

我慢できずに出てしまった吐息を合図に颯太郎の手が頬から肩、腕と下りてきてブラウスの上から茉莉の膨らみを優しく撫でる。
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