ジャスミン
『まだ体調良くないの?』

『いや。お陰さまで元気になったよ。』

『だって、それ私が買ってきたレトルトだよね?』

『せっかく茉莉が買ってきてくれたのに、食べなきゃ罰が当たるだろっ!』


『~っ!私、料理の勉強する。』

『そんなの俺が作れば問題ないだろ?でも期待しないで楽しみにしてるよ。』

何だか矛盾してることを言われた気がするが、嬉しさが勝ってニヤニヤしながら美味しい朝食を味わった。


お互いに支度を終えると、連絡先を『今更だね。』と言いながら交換して電車を一緒に乗って茉莉が先に降りて、手を振りながら見送った。



『顔がにやけてるんですけど~?』

美香の指摘にハッと我に返る。

『…茉莉ちゃん良かったねっ!』

『うん…ありがとう!』

ここは、昨日も訪れた黒猫。美香とランチしながら昨日の報告をした。

美香の潤んだ瞳に自分のことを本当に心配してくれたのが伝わる。茉莉は心から美香にお礼を伝えた。


『お~い、茉莉ちゃ~ん!もぉ、トリップしすぎだよぉ。』

美香の言葉に再び我に返ると、自分の色ボケっぷりに自嘲の笑みをもらした。
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