ジャスミン
『お疲れ。今、仕事終わったのか?』

『うん。颯太郎さんは?』

『まだ会社だよ。こんな遅くに一人で大丈夫か?』

『いつもこれくらいだもん。大丈夫よ。』

『いつもなら余計心配だ。』

過保護の親のようで、くすぐったい気持ちになりつつ『そういえば、何か用だった?』と話をすり替えた。

『あぁ。あれから、あの男は大丈夫か?』

颯太郎の言う「あの男」とは一人だけだ。

『…うん。ここ二日間出張で会ってないよ。』

『そうか。何かあったらすぐ連絡しろよ?』

『ありがとう。』

彼の心遣いに感謝をしつつ、二言、三言会話を交わし、颯太郎が仕事中ということで電話を切った。


ガチャッ。

家のドアを開けると当たり前だが、真っ暗で誰もいない。颯太郎と過ごしていたこともあり、寂しさが倍増して襲ってきた。


『さぁー、料理頑張りますかっ!』

最近のコンビニは便利だ。野菜や調味料まで揃っている。何となくの作り方で完成したのは…。
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