ジャスミン
「ザ・ミートスパゲッティ」


茹でてミートソースをかけたもの。

始めてそんなに簡単に上達するものでもないのだ。
それでも茉莉は満足気に食べ進めた。

お風呂からあがり、布団に入る頃には日付はとっくに跨いでいたが、自由に寝られるベッドは何故か寝つきの悪いものになったー。


「おはよう」のメールと仕事帰りの数分の電話が加わったものの、茉莉も颯太郎も相変わらず忙しく会えないまま金曜日を迎えた。

いつも通り出社すると、この一週間出張や恐らく例の海外進出の件で忙しくしていたと思われる部長の姿が目に入った。

とたんにフラッシュバックする『怖い』という気持ちを抱いた夜のこと。

知らず知らずに痣があった場所を腕をクロスさせて両脇に隠していた。


『…何だか久しぶりだな。デザイン案出来てるか？』

『…はい。』

『そうか。…流石だな。じゃあ、午後一で打ち合わせするからな。』

私は普通に話せていたのだろうか？

それにしても忙しいからか、この数日間で彼はかなりやつれてしまったような印象を受けた。
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