ジャスミン
車内は颯太郎の部屋同様、無駄なものが全くなく、皮のシートにこの車のグレードの高さを感じる。

『この車って逆輸入車だよね?』

『よく知ってるな、あんまり乗らないけど車は好きなんだ。休みの日はドライブとかよく行くしな。』

『へぇ~、いいなぁ。』

『何?ドライブ好きなのか?』

『うん。車ないけどね。』

『じゃあ、昼飯食ったら何処か行こう。』

『わぁっ!うん。』


車はゆっくりと走り出し、大きな通りに出ると徐々にスピードを上げていく。

(そっかぁ。颯太郎はドライブが好きなのか~。)

彼のことが少し分かり、そのことが茉莉の頬を緩める。


『昼飯、何かリクエストある?』

『う~ん、パスタとか?』

『パスタかぁ。俺の知ってるとこでいいか?』

『うん!楽しみだなぁ。』

茉莉の言葉に颯太郎も頬を緩める。
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