ジャスミン
『えっ?えぇ~!!なに?颯太郎の彼女?まじで!?』

あまりの絶叫に頷いて良いものなのか戸惑って呆気にとられて立ち尽くす。

『そうだよ。とにかく、うるさいっ!早く席に案内しろよ。』

片手で頭を抱えながら、それでも茉莉の手を離さず席へと歩いていく颯太郎に胸が熱くなる。

絶叫した張本人は『まじでかぁ、すげぇ。』などと、ブツブツ言いながらも席に案内してくれた。


『茉莉は苦手なもんとかある?』

『ううん。大丈夫だよ。』

『そっか。じゃあ、適当に任せるわ!』

メニューを閉じて、颯太郎は彼に渡す。

『了解っ!』

彼は誰が見ても「惚れてまうやろ~」的な笑顔で応えると颯爽と厨房に姿を消してしまった。


『えっと…友だち?』

ずっと聞きたかったことを恐る恐る尋ねてみた。

『俺とあいつが?…まさかっ!』

じゃあ、何なの?と聞きたい気持ちを堪えて颯太郎の口から出る答えを待つ。
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